平成二十四年七月号
活動報告と新年度の御挨拶

1. 京都市立芸術大学研究班の姉小路踏査

6月4日に、京都市立芸術大学 環境デザイン専攻(指導:藤本英子先生)の大学生4名が、姉小路界隈を現地踏査に訪れ、じっくり3時間をかけた観察で、姉小路界隈の魅力に触れました。

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▲ 大学生による界隈の現地踏査の様子

市立芸大による姉小路に関しての授業は、既に何年か続いています。藤本英子先生によれば、今年度は、「環境デザインを学ぶ学生達に、景観にまつわる建築・土木・ストリートファニチャーなど様々な分野の授業を重ねあわせながら、若い自由な感性での問題発見・問題解決・新たな提案を行っていきたい」そうです。

姉小路界隈で建物を改築(新築)したり、営業を始める場合の方針など、公共空間の有効活用の参考となりそうな有用な提言をいただいて、界隈に一定の成果をもたらしていただければと、期待しています。

2. 韓国京畿道庁からの視察団来訪

6月7日午後、韓国より京畿道庁住宅政策課の李春杓(イ・チュン・ピョ)課長率いる公務員16名が、姉小路界隈をお訪ねくださいました。韓国の都市整備政策に反映するための研修で、東京・横浜・京都・大阪の各市で、日本の住民主導型都市整備や、まちづくり等の優秀な都市再生事例を視察された、その一環です。

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▲ 韓国京畿道庁からの視察団の様子

視察団の方々の一番の関心は「姉小路界隈地区建築協定」の発足動機と、この10年間のメリットについてに注がれており、質疑応答でも最初に、多くのご質問を頂戴しました。加えて、「街なみ環境整備事業による、18件の整備効果」についても、尋ねられました。

京都には、古くから町式目という町民による自主ルールでまちの秩序を守ってきた歴史的背景があること。また、姉小路界隈の取組が、それを基に新旧が調和を保ちながら、町を維持・発展させようとしていることをご認識いただいて、彼らの都市景観政策のひとつの参考にでもなれば、非常に喜ばしいことだと思います。

3. 姉小路界隈まちづくり協議会月例会議の報告

中京酒販売組合1階会議室にて、6月15日19時より、14名の方々のご参加を得て、月例会議を開催致しました。

最初の議題である「まちづくりビジョン冊子作成」は、公益財団法人 京都市景観まちづくりセンターから提示頂いた、他地区の冊子構成見本を参考に、姉小路界隈の独自性を加味しながら、今後、作業を進めることになりました。

2番目の議題となった「防災遺産調査」については、戦前の補助事業であった防火袖壁の実用性に加えて、景観要素としての可能性についても調査することになりました。柳池学区でも防災に関する取組が始まっていますので、何らかの連携の可能性が期待されます。

「NPO法人都心界隈まちづくりネットとの協同」では、現在進めている定款変更を機に、より一層協力関係を深めて取り組んでゆくことが確認されています。

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▲ まちづくり協議会月例会議の様子

「姉小路行灯会」の開催時期については、地蔵盆前夜の8月25日(土曜日)ということで、参加者の同意を頂戴致しました。本年度も、中京もえぎ幼稚園と京都御池中学校の園児・生徒の皆さんには、行灯作りやご出演でお世話になります。また、地元商店にも多数の景品提供など、御協力を戴いております。1本200円のローソクは、売上げ代金の一部がまちづくりの活動資金となりますので、界隈の皆様には、1本でも多く御購入戴きますよう、御協力宜しくお願い申し上げます。

界隈通信も、無事3年目を迎えることができました。今年度から「NPO法人都心界隈まちづくりネット」との共有紙面となります。今後とも、どうか宜しくお願い致します。まちづくり協定区域内で、10年計画で進めて参りました「街なみ環境整備事業」も、残りあと2年を残すだけとなりました。これまでに18件の実績を築き、残せました。ご理解とご協力を戴きました関係者の皆様に、厚く御礼申し上げます。

なお、残期間内での候補物件を絞り込むように行政当局から指導されておりますので、補助金を希望される方は、早めに事務局へ御相談下さい。

次回の会議は、第3金曜日の7月20日の19時より、中京酒販売組合1階会議室にて開催致します。御参加をお待ちしております。

(会長 : 市古和弘)